カゼ・インフルエンザの予防対策

 今年8月に漢方講演会をやらせていただきましたが,そのテーマの一つがカゼ・インフルエンザ対策でした。その後,新型インフルエンザは徐々に蔓延し,猛威をふるっています。さらに気温が下がり空気が乾燥するこれからの季節は,カゼや季節性インフルエンザが流行する時期です。そこで今一度,その対策をご紹介したいと思います。

予防策1-うがい・手洗い・板藍根

 予防策として一般に言われるのが,うがい,手洗い,マスクです。そして漢方の知恵として板藍根(ばんらんこん)という薬草の利用が挙げられます。古来,板藍根は消炎の薬草として使用され,現在では多種のウイルス感染症に対する治療効果が報告されています。中国の学校では板藍根の煎じ液で児童達にうがいをさせるそうです。昨今,日本でも板藍根がハーブティーやのど飴に配合され,一般に利用しやすくなっています。
画像の説明
アブラナ科ホソバタイセイ
根を乾燥させたものが生薬の板藍根

予防策2-免疫力を高める

 カゼやインフルエンザの原因となるウイルスから身を守るのは免疫力です。ワクチン接種は特定のウイルスに対する免疫を付けるものですが,完全に感染を防げるわけではなく,また他のウイルスには無力です。ですからワクチン接種だけで安心はできません。普段から体調を整え,自身の免疫力を維持することが大切です。そのために重要なことは,規則正しい生活習慣やバランスの良い食事です。

 漢方の五臓六腑の考え方からすると,免疫力に大きく関与する内臓は(呼吸器系),(消化器系),(生命力の源)の3つと考えられます。これらを中心に,それぞれの体調に合わせてケアをしていくことが免疫力を高める上で重要です。

体表のバリア-衛気(えき)

 漢方では体表部に防衛を担当する気が存在すると考えます。それは“衛気”と呼ばれ,前出の肺に調節されます。衛気は邪気(ウイルスや細菌)から身を守るだけでなく,汗の調節や,体表の温度維持などにも関わります。冷え症の人では,この衛気の力も低下している可能性があります。ショウガやネギ,シソなどは体を温め,衛気の働きを促進させます。一方ほてりやすい人やのどの渇きが強い人は,体を潤すビワ,ナシなどの果物や白菜,大根,白ごま,蜂蜜などが役立つと考えられます。体を潤す果物は,体を冷やす可能性もあるので,体調に合わせ,温めるものとのバランスを考えながら取り入れましょう。

※実際に漢方薬を服用する場合は,専門家とよくご相談下さい。

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