冷え症 タイプの確認とそれぞれの対策について

 冷え症を自覚されている方は大変多くいらっしゃいます。比較的女性に多い症状ではありますが,意外と男性でも少なくありません。これから冬本番を迎える前に,その原因と対策を考えてみましょう。
 冷え症と一言でいっても様々なタイプがあります。表1のチェック表で,ご自身の冷えのタイプを確認してみて下さい。

表1.冷え症のタイプ別チェック表

A.陽気不足タイプ
 □強い寒がり
 □夏場のクーラーにも弱い
 □カゼをひきやすい
 □腰や足がだるい
 □むくみやすい
 □疲れやすい
 □尿が近い

B.血の不足タイプ
 □手足が冷えやすい
 □肌が乾燥しやすい
 □めまいや立ちくらみが多い
 □顔色が青く,つやがない
 □こむら返りを起こしやすい
 □目が疲れやすい。または乾燥しやすい
 □月経が遅れやすい

C.気の巡りの失調タイプ
 □手足が冷えやすい
 □感情の起伏が大きい
 □よくため息をつく
 □胃のつかえや,のどの異物感などを感じる
 □緊張しやすい
 □腹が張ったり,ガス・ゲップが多い
 □月経前にイライラしたり,胸が張る

D.血行不良タイプ
 □足が冷えやすい
 □肩こりや頭痛をよく自覚する
 □皮膚が黒ずみ,カサカサする
 □目の周りのクマが濃い
 □痔がある
 □狭心症,心筋梗塞,脳梗塞などがある
 □生理痛が強く,経血に血の塊がある

表2.タイプ別の対策

 多くの人はいくつかのタイプを重複しています。チェックの最も多かったタイプを中心に対策を検討してください。

Aの項目にチェックが多かった方:陽気不足タイプ
体温を維持する体力が不足している陽気不足タイプと考えます。体を温めるのと同時に体力を付けていくことを考えなくてはなりません。栄養のバランスを調え、適度な運動を心がけましょう。睡眠時間もしっかりとりましょう。

Bの項目にチェックが多かった方:血の不足タイプ
体の各組織に栄養を送り届ける血が不足しているタイプです。胃腸を丈夫にして血の生成を促す必要があります。無理なダイエットや夜更かしは禁物です。食習慣を整え、軽めの運動なども行いましょう。

Cの項目にチェックが多かった方:気の巡り失調タイプ
自律神経やホルモンなどのバランスがかかわる気の巡りが失調しているタイプです。ストレスの発散が苦手な方もこのタイプに多くみられます。規則正しい生活を心がけ、リラックスする習慣を取り入れましょう。

Dの項目にチェックが多かった方:血行不良タイプ
血の流れが失調しているタイプです。甘い物や油物を控えめにして、適度な運動を習慣にすることをお勧めします。長時間の集中は控え、合間にリフレッシュを取り入れてください。

タイプ別に合った食品・生薬・主な方剤

Aタイプ 体を温める物
食品:しょうが ニッキ ねぎ 栗 羊肉 牛肉 えび
生薬:高麗人参 鹿の角
方剤:八味地黄丸 参茸丸

Bタイプ 血を補う物
食品:緑黄色野菜 くこの実 ブルーベリー レバー 牡蛎
生薬:芍薬の根 ロバ皮のゼラチン
方剤:温経湯 当帰四逆加呉茱萸生姜湯

Cタイプ 気を巡らす物
食品:紫蘇 ミント セロリ 柑橘類
生薬:紫蘇 みかんの皮
方剤:四逆散 逍遥散

Dタイプ 血の流れに良い物
食品:玉ねぎ にら らっきょう 青魚
生薬:桃の種仁 紅花
方剤:桂枝茯苓丸 冠元顆粒

冷え症のタイプを知り,バランスの良い食事を心がけましょう

 寒いときには鍋料理など温かい食事を取りたくなりますね。冬場は根野菜や白菜が豊富ですから,ぜひ温かく調理して召し上がって下さい。その際,ショウガやネギ,唐辛子など,体を温めるものを利用するとより効果的ですが,あまり刺激が強いと胃を痛めることもありますのでほどほどが肝腎です。
 また肉や魚,大豆などで得られるタンパク質は,血肉の源であり,体の保温にも役立ちます。肉では脂肪の取りすぎに注意して,バランスの良い食を心がけましょう。
 一方夏に好まれるビールやアイス,夏野菜,南国の果物などは体を冷やします。控えめにしましょう。

※以上は漢方的なチェックですので、西洋医学的な概念や検査結果とは異なります。また、実際に漢方薬を服用される際は、専門家と直接ご相談ください。

参考
 八味地黄丸 はちみじおうがん
 参茸丸 さんじょうがん
 温経湯 うんけいとう
 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう
 四逆散 しぎゃくさん
 逍遥散 しょうようさん
 桂枝茯苓丸 けいしぶくりょうがん
 冠元顆粒 かんげんかりゅう

戻る