心(しん)を養い,心(こころ)を落ち着ける

 中国医学で五臓六腑(五臓:肝・心・脾・肺・腎、六腑:胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)のうち睡眠に関わるものは心と認識されています。中国医学における心の概念は、現代医学で言う循環器としての機能のほかに脳の精神、意識、思惟活動なども含まれており、それについては「心(しん)は神明(しんめい)をつかさどる」と表現されています。

 何らかの原因で心の機能が障害を受け、神明に影響が及ぶと、「心神不安」と呼ばれる状態になり、不眠や不安感、夢が多い、驚きやすいなどの症状が現れます。精神を安定させることを「安神」といい、心を養いながら、「神明をつかさどる」働きを安定させるようにします。

 食物としては、コムギがあります。コムギは漢方薬の甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)にも生薬の小麦(しょうばく)として含まれており、心を養う働きがあります。

 コムギの他には、ハスの実(生薬としては蓮子:れんし)やユリネ(生薬としては百合:びゃくごう)にも同様の働きがあるとされ、様々な薬膳料理に利用されたり、漢方処方の構成生薬として用いられます。

戻る