月経不順の漢方薬

 月経周期の延長、短縮、不定や、経血量の増減など、それまでの周期、量、期間などに乱れを生じた場合を月経不順といいます。

 一般に女性の月経周期は25日から35日といわれます。成長期や閉経期あるいは妊娠から授乳の時期を除くと、通常あまり大きな変動はありません。通常の範囲を超えて月経の周期が短くなる場合を月経先期または頻度月経などと呼び、周期が長くなる場合を月経後期とか希発月経などといいます。また、短くなったり長くなったりと不安定な場合を先後不定期と呼びます。妊娠などの特別な理由もないのに月経が3ヶ月以上ない状態は無月経です。

 月経不順の原因として、ホルモンのバランス異常の他、ストレスや体の冷え、貧血などの全身状態との関わりが考えられます。時に子宮筋腫や子宮頸癌などの重篤な病気が隠れていることもあるため、注意が必要です。

 外科的な処置が必要でない場合、ホルモン剤による治療が多く行われますが、漢方薬もしばしば用いられ、よい効果が得られています。漢方薬の選択は、月経の周期がどのようであるかということに加え、月経痛の程度や時期、経血量の多少、月経周期に伴う諸症状や体調変化、平素の体調など、様々なことから総合的に判断されます。

 以下に、よく見られる状態と、一部の汎用処方をご紹介します。

①瘀血(おけつ)タイプ
 血行不良で、強い月経痛が見られる。頭痛や肩こりをしばしば伴う。

  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

②血熱(けつねつ)タイプ
 月経周期が短く、量が多くなりやすい。のぼせなども見られる。

  • 温清飲(うんせいいん)

③血虚(けっきょ)タイプ
 月経周期が遅くなったり、経血量の減少が見られる。時に貧血様症状を伴う。

  • 婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
  • 四物湯(しもつとう)
  • 温経湯(うんけいとう)
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

④気滞(きたい)タイプ
 月経先後不定期になりやすい。経前にイライラや胸部のはりが発生する。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)

⑤気虚(ききょ)タイプ
 胃腸が弱く、元気がない。周期は遅れることも早まることもある。経血量は減少しやすく、だらだらと出血が続くこともある。

  • 六君子湯(りっくんしとう)
  • 帰脾湯(きひとう)

⑥虚寒(きょかん)タイプ
 冷え症で、周期が延びたり、経血量の減少が見られる。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

※実際に漢方薬を使用する際は、詳しい相談の上,服用下さい。

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