桜の利用

 もうすぐお花見の季節です。桜といえばお花見のほかにも、桜餅、桜茶、秋田県地方の樺細工・・・日本人はいろいろにその美を味わってきました。

 さて、食品として風味を楽しむときには花や葉が利用されますが、薬用とするときにはおもに樹皮が用いられます。乾燥樹皮は“桜皮(おうひ)”と呼ばれ、蕁麻疹や急性湿疹、水虫などに用いられます。代表処方は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)。有名な華岡青洲が考案したものです。また、樹皮の抽出液には咳止め効果も知られています。

 そのほか面白いのが江戸時代の民間療法です。しゃっくり、下痢、毒キノコ中毒、急性胃炎、一切の食中毒、熱病、おでき、痔、打撲傷、毒蛇に噛まれた時、鼠に噛まれた時、ふぐ中毒、そして二日酔いにまで、樹皮の煎じ液や、樹皮の黒焼きを粉にしたものを利用した記録があり、消炎・解毒の薬として重宝されていたことが窺えます。

 ただ、くれぐれも、お花見のとき、二日酔い対策で、樹皮をむいてしまうようなことはしないでくださいね。

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