漢方で活躍するキノコ

 漢方に登場するキノコというと,サルノコシカケやマンネンタケ(霊芝),高級薬膳料理で出される冬虫夏草などが連想されるかもしれません。これらも使われない訳ではありませんが,比較的高価で使用頻度は高くありません。それに対し安価で,多くの漢方処方に利用される重要なキノコが「マツホド」です。生薬としては「茯苓(ぶくりょう)」と呼ばれ,胃腸を丈夫にし,また水分代謝の改善に役立ちます。

マツホド

 17年ほど前,長野県塩尻市にマツホドを採集に行く機会がありました。地下の固まりを見つけるには専用の「ハリ」と呼ばれる約1mの細長い鉄の棒を用います。松林へ行き松の木の周辺で地面にハリを突き刺しながら歩き回ります。マツホドに当たると生のサツマイモを突き刺したような感触があり、引き抜いたハリの先には白いチョークでこすったような跡がつきますので、そこを掘り上げるのです。(写真はその時採集したマツホド)

 同様に地下に固まりを作るキノコにチョレイマイタケがあります。この固まりも生薬となります。生薬名は猪苓(ちょれい)で利尿作用を有します。マツホドと異なり,チョレイマイタケは地上にキノコらしい姿を形成し,東北地方では正月料理に欠かせない食材となるそうです。キノコの生態は摩訶不思議なものが多く,昔の記録では神霊が宿る,食べると仙人になるなどと考えられたものもあったようです。

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