癌について

 中国伝統医学(以下中医学)では,癌自体・発癌因子・体質の変化・精神面など,全ての状況を考慮して対応いたします。ただし,単一の物だけでの治療には,無理があります。西洋薬,漢方薬,健康食品など全てを動員して,状況に応じて使い分けるということが重要です。

  発癌因子として以下の様なものが考えられます。
  紫外線  喫煙  大気汚染
  睡眠不足 過度の飲酒 食品添加物 欧米化した食生活
  ストレス 社会を覆う不安 など
画像の説明

 自己防衛システム(癌抑制遺伝子やDNA修復遺伝子など)により,多くは大事に至らないのですが,長期間にさまざまな発癌因子の影響を受けて遺伝子変異が起こると,細胞に狂いが生じて,無秩序な異常増殖を繰り返して腫瘍となります。

 そして周辺の組織ないし全身への浸潤,転移と進行していきます。癌の発生した組織や臓器はもとの機能を失い,患者の体力は消耗してゆきます。

癌の成長
 正常な1つの細胞の遺伝子に傷がつき,この細胞が早期癌といわれる状況になるまで10~20年かかります。

  画像の説明正常な細胞
↓ ←発癌因子
 画像の説明遺伝子に傷がついた癌細胞になる
↓ ←免疫機能低下5~10年
 画像の説明100万個 直径1mm
5~10年
 画像の説明早期癌 10億個 直径1cm
1~5年
画像の説明末期癌 約1兆個 直径10cm

漢方での治療
大きく2つに分けられます。
◎正気不足(心身機能・成分の低下) ← 扶正(正気を強める)
 ・気虚(気力・免疫力の低下)← 補気
 ・血虚(血の栄養不足,機能低下)← 補血
 ・陰虚(体の潤い不足,栄養不足)← 補陰
 ・陽虚(気力が衰え,体を温める力が不足)← 補陽

◎実邪(体内の有害物質) ← 去邪(体に有害な物を取り除く)
 ・気滞(気の滞り) ← 理気
 ・瘀血(血の滞り) ← 活血化瘀
 ・痰湿(水の滞り) ← 化痰利湿
 ・毒熱(邪の熱化・毒) ← 清熱解毒

 さらに体のどの部分に不足があるのか,または実邪が存在するのかを考慮します。
中医学では,体の部位を示す物に,五臓六腑,表・裏,上焦・中焦・下焦などの概念があります。

 これらの考え方に基づいて,一人一人の状況に適したお薬を選択するほか,霊芝や白花蛇舌草,冬虫夏草などを適宜組み合わせます。

国立がんセンターの提唱する癌予防12カ条
・バランスのとれた栄養をとる
・毎日,変化のある食生活を心がける
・食べ過ぎを避け,脂肪は控えめに
・お酒はほどほどに飲む
・たばこはすわない
・食べ物から適量のビタミンと繊維質をとる
・塩辛いものは少なめに,熱いものは冷まして
・こげた部分は避ける
・かびの生えたものに注意する
・日光に当たりすぎない
・適度にスポーツする
・からだを清潔に保つ

 そのほか,精神面の異常が過ぎたり長引くと,全身の気血の循環および代謝の乱れ,あるいは滞りを引き起こし,癌の発生,発展につながりやすくなります。病の発生・悪化を予防するには,五臓六腑のバランスを保つことが大切ですが,情志もそのバランスに大きな影響を与えるのです。

 体と精神にとって,持続的なアンバランスがとても悪影響を及ぼします。つまり癌の温床を作ります。とくに「気」の滞りをきたすのです。「気」は血液の流れにも影響します。頭を使うときには,頭に「気」が集中します。走るときには足に「気」が回ります。このように「気」は状況に応じてうまく循環しているのです。

 しかし五臓のバランスが崩れると,「気」のめぐりがおかしくなってしまいます。

 あまりに驚きすぎて小便を漏らしてしまうのも,「気」のめぐりが狂ってしまったからです。この場合,驚きが治まれば「気」のめぐりも元に戻ります。問題なのは持続する感情の乱れです。

 怒りを抱いたとき,手が震えることがあります。そんなときには字を書くことができません。悩んでばかりいると唾液の分泌が悪くなり,食欲が減退します。すべて,「気」が滞ってしまったせいです。こういった「気」の状態を「結」といいます。

 「結」になった「気」が癌に最も関係が深いのです。長い時間,体と精神のバランスを崩していることで,免疫力は落ち,癌抑制遺伝子の効力も落ちてしまいます。その結果,癌細胞が育ちやすい環境になってしまうわけです。(癌の原因は精神的ストレスであると言い切る医師もいます。)

 時には怒り,時には悩む。それは人間のあるがままの姿です。それが慢性化しそうなとき,食事や運動などによるリフレッシュや,あるいは漢方薬で感情の調整をしてあげることが肝要になります。

※実際に漢方薬を使用する際は、詳しい相談の上,服用下さい。

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