秋の味覚・柿の“へた”を“じょうずに”利用・菊が効く

秋の味覚 その1 「柿」

 柿や干し柿は甘くておいしいだけではなく、よく絵画や詩歌の題材とされる秋の代表的果物ですね。さらに、時節柄乾燥しやすい私たちの体を潤す作用があります (冷え性の人は食べ過ぎに注意)。またビタミンCや食物繊維が豊富なことも有名です。また、果実だけでなく、柿の葉もお茶にして飲まれています。

柿の“へた”を“じょうずに”利用!?

 漢方薬としても柿を利用することがあります。しかしその使用部位は果実ではなくて“へた”です。生薬としての名前は「柿蒂(してい)」。その目的は何とビックリ “しゃっくり止め”です。コップの向こう端から水を飲んでも止まらない、誰かに驚かされてもダメ、そんな時「柿蒂」の出番です。丁字(=丁香、クローブ)などと一緒に煎じる「柿蒂湯(していとう)」なる立派な処方もあるのですが、干し柿の“へた”だけを煎じて飲んで、数日続いたしゃっくりが止まったという例もあります。

 近くにしゃっくりが止まらなくてお困りの方がいたら、このことを教えてあげてください。驚きのあまりしゃっくりが止まるかもしれません!?

秋の味覚 その2 「菊」

 酢の物などで楽しまれる菊の花ですが、若い人ではあまり食べる機会もないかもしれません。食用菊の産地である東北・新潟地方では、酢の物や和え物のほか、漬け物や和菓子の材料にしたり、焼酎に入れて少量の砂糖を加えた「菊酒」を作るなどして楽しむそうです。中国では乾燥した菊の花にお湯を注いでお茶としたり、緑茶に混ぜて味わう習慣があります。中国の高級緑茶「龍井茶(ロンジンチャ)」の産地である杭州は、菊の花の産地としても有名です。「杭菊花」と称される当地の菊の花は、花茶に供されるだけでなく、薬用としても重用される名花です。

菊が効く!

 菊の花は、生薬として用いるときには「菊花(きくか)」と称し、のぼせる傾向にある場合の頭痛や目の充血・眼痛・かすみ目などに用いられます。「菊花」を含む代表処方を以下にご紹介します。

  • 「清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)」顔面痛や頭痛に広く用いられます。目の奥が痛いなど、目に関係がある頭痛によく効くといわれます。
  • 「釣藤散(ちょうとうさん)」慢性に続く頭痛で、高血圧傾向の方に用いられます。
  • 「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」疲れ目・かすみ目に用いられます。ほてる傾向があり、過労や加齢による場合に奏効します。

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