雨が降ると古傷が痛む?!

 昔の骨折や神経痛,治癒したはずなのに曇りや雨の日に再び痛み出すということがあります。梅雨や台風の季節にはとくに注意が必要です。

 雨の日には古傷の問題だけでなく,気分的にも落ち込んだり,不安定になる方が多く見られます。単純に面倒なことが増えるといった印象も影響するかも知れません。湿気や冷えによる不快感もあるでしょう。最近とくに言われているのは,雨をもたらす低気圧の自律神経への影響です。

 山登りでスナック菓子を持参すると高地で袋が膨張します。気圧の低い高地では外から袋にかかる圧力が低く,袋内の圧力が相対的に高まるためです。人体も低気圧が来るとむくむと言われています。さらには体内の血管やリンパ管,神経細胞など様々な組織にも影響があることが考えられます。古傷がある箇所は,細胞や血管の状態が万全でなく,変化による負担が大きいのかもしれません。

 自律神経は,無意識に行われる呼吸や拍動,消化等々の生命活動を調節しています。そして外界の変化にも,体内の変化にも,敏感に反応し,変化に順応しようとします。ところが反応が過敏であったり,あるいは逆に鈍っていたりすると変化に体が順応できず,体調不良が生じます。

 自律神経を整えるには,自然の理にかなった生活を心がけたいものです。例えば規則的な睡眠や食事は重要です。寝不足や昼夜逆転の生活は,自律神経に大きな負担です。食事は季節のもの,土地のものを中心とし,極端に冷たいもの,熱いもの,味の濃いものなどは避けましょう。またウォーキングやストレッチは,血管やリンパ管の循環をよくして痛みやむくみの予防に役立つと考えられます。

 漢方では,雨に伴う失調は体内の水毒が助長されるためととらえ,利水作用のある漢方薬がしばしば利用されます。結果,身体のむくみを改善し体調不良の緩和に役立つものと考えられます。もちろん個人個人の状況に合わせて利水作用以外の効能も考える必要はあります。

 古傷の問題は局所だけの問題ではなく,自律神経や血流,冷え症など体全体に問題があるものの,症状として局所にのみ表れてい場合があります。局所と体全体の状態を総合的に検討することが,毎年繰り返す古傷の問題改善につながると言えそうです。